2015年2月28日(土)
この2カ月間で、あわほが本屋で、ついタダ読みしてしまった本を、2冊。
「人生の9割は逃げてもいい」(井口 晃 著. すばる舎)......完読。
「普通の人がお金持ちになりたくなったら」(井口 晃 著. ワニブックス)......つまみ読み。
ーー
んで、気になって著者についてネットで調べてにたところ、どうやら井口氏(1981年生れ・出身地・大阪)は、”高額の自己啓発セミナー”を主宰しているらしい...。
井口氏のウリは、中高にかけて
イジメに遭いまくり、
5回も転校。
最後にたどり着いたのは、通信制高校。
高校を出て、短大に進学中退。どこぞとやらの私大に再度入学するも、またしても中退。
次に、ホテル関連の専門学校に入り直すが、またまた中退。
米国の大学に入学するも、授業についていけず、そのまま欠席。
26歳ぐらいまで、ダメニートっぽい日々を送る。
転機となったのは、アメリカでプラプラ貧乏生活を送っていた頃、「セレブな人のそばにいたがため自分も成功した人に弟子入りした」、ことらしい...。
その後、英語と自己啓発をセットにしたセミナーを日本で主宰し、ひと儲け。
”ビジネスパートナーだった人にお金を全部持ち逃げされる”という惨事に遭いつつも、近ごろ年商1億円の社長までのしあがったそうな...。
しかも、年の半分は仕事をせず、海外旅行をして優雅に遊び回っている、とのこと...。
ーー
さらにざっーと調べたところ、この井口なる人物、
”事務作業は苦手なので、すべて人まかせ”、
”時間にルーズなので、飛行機にも乗り遅れる”、
”事実認識がええ加減なので、旅行前日にビザ申請をしても余裕で間に合うという思い込みよう...。案の定、ひとりだけ遅れ、旅仲間から取り残される”、
怠け者なので旅行中ほかの仲間がPCを開いて仕事していても、ひとりだけ何もぜずダラダラ...”。
なんか...ADHDの悪症状丸出し、って感じ...。
まあ、それでも社会的に成功したのは、うちの母親同様、"ワケ分からんADHD特有の暴走エネルギーで突っ走り、自前のインチキ肯定力で、周りのいる人たちにインチキ魔法を次々とかけていったからであろう"、とあわほはつい思ってしまう。
井口氏はたった半年でゼロから英語を完全マスターしたと豪語し、その直後に始めた、「英語+自己啓発セミナー」なんて、インチキ肯定力がなけりゃあ出来ないワザかも...。
たぶん、天性の恵まれた語学感がある井口のような人なら、(語学オンチなあわほとは違い)、まがりなりにとも英語を半年で喋れるようになるであろう。
でも、受験英語ないしその他周辺の基礎知識がゼロだと、英語力なんてかなり怪しもの。
(月日が経ち、井口が英語に不自由しなくたったのは、ビジネスで毎日使用しているからだと思われる)。
ーー
んな、アヤシイところだらけの、井口氏が、
「イヤな人間関係からも、イヤな環境からも、イヤな学校からも、イヤな地元からも、イヤな仕事からも、とにかく逃げろーーーっ!」
と、終始一貫して主張。
学校生活全体が慢性的不適応(この間、家族とはギスギスしてたらしい)、学歴ナシ、自己啓発+英語以外の才能はあるのかないのか不明、長時間労働の適性ナシな、社会的成功者が言うと、なんとまあどえらい説得感がっ!
ーー
ただ、”これは井口氏とあわほの置かれた環境が決定的に違うな”、って感じたのは、以下の2つ。
(1)学校生活面。
井口はイジメや不適応に遭いながらも、学校には行かなければならないものだと思い、爆笑問題の大田光と同じく、自らの意思で学校生活を続けていた。(それでも、井口は過去を振り返り、「学校なんて始めから行かなきゃよかった」と言っているのだが...)。
かたや、あわほや発障系社会不適応者に多いのは、慢性的不適応を自分でも感じ、親に何度も登校拒否願いを出しつつもぜーんぶ却下され、
親に虐待されながら、自分の意思ではなく受動的に、長年学校に登校し続けてた、ってこと。(この場合、大学中退か、卒業して慢性的ニートになる者、多数...)。
(2)家庭環境及び親の教育方針
井口も、学校で不適応を起こしている間は、親キョウダイから白い目で見られていたという、お気の毒者。
しかしながら、井口の親がまだマトモだと思えるのは、度重なる息子の転校を許し、通信制の学校にも通わせ、大学中退も専門学校中退も、ぜーんぶ仕方なく許容してきた、という点。(家庭環境の方は、不適応を白い目で見られたという記述があるのみで、それほど酷い親ではなさそうだ)。
対して、
子どもをダメニートにして腐らせる親に多いのは、「全日制いがいの学校には、許容性が全くナイ」、ってこと。
ウチの両親やこじらせ型ダメニートを持つ親たちは、子どもが社会のレールから外れるのを、異常なほど忌み嫌う。
夜間高校も、通信制も、大学検定も、高校中退も全てダメ~~~っ!
子どもが学校に行くのを嫌がれば、殴る蹴るなじるなどの暴力を全面的に駆使し、ふつうに学校を休みことすら、徹底して許さない。(親たちは、これを虐待とは露ほども思わず、躾だと思っている)。
んで、
そんな親たちが子どもに提供しているのは、カサンドラな機能不全家庭。
親が自らのカサンドラ性を脱却できず、悪環境極まれりな家庭生活に子どもを無理やり付き合わさせている。子どもの方は未成年であるからして、自力でここから逃げるなんて到底無理。
不適応な学校生活から逃げ出すことを親から一歩たりとも許されず、親自身からしてカランドラな悪環境から逃げ出そうとする気力が微塵たりとも窺われないのに、どうやって子どもだけがそこから逃げ出せようというのか。
ひと言でいえば、「子どもはもうこの時点で、ヤなことから逃げ出そうとする気力を、社会面&家庭環境面の双方から完全に剥奪されている」。
このような経緯をたどって子どもは、「”自分にはもう何処にも逃げ場なんてナイ!”というふうな強烈な刷り込みを受ける」、のである。(発達障害二次障害の典型例)。
資本主義自由型経済社会なんて、ホントは空き穴だらけのチョー胡散臭いデタラメ社会なんだから、「自分の逃げ場はどこかにある」ってポリシーで動けば、どっかに必ずや抜け道があるってものなのよね。
それで、その抜け道をうまく見つけ出したひとりが、井口って人なのだろう。
ーー
結論:
発達障害者や社会不適応のテーケーは、自分で抜け道を早く見つけ出した者勝ち。
親は、子どもから逃げ道をぽちっと吸い取るように奪ってはならぬ。
逃げ道を完全に奪われた子たちは、ニート状態をこじらせて、後々取り返しがつかないことになるのだ。
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