発達障害である"あわほ"が、日々の思いや過去の出来事から考えたことをつづります。同居人であるオカメインコ♂の"のぶりん"も時々登場します。 当ブログはリンクフリーです。
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「母親はなぜ生きづらいのか」(香山リカ 著. 講談社現代新書)。
この本には、三歳児神話(注釈. ”心理学における母性愛重視の安全基地概念”及び、”子どもの健全な脳の発育に及ぼす母親の役割の大きさ”)に対する懐疑的な記述が、これでもかというほど数多く登場します。(苦笑)。
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以下、あわほが稚拙ながら、本の内容をかいつまんで紹介。
1960年代に生れ、今なお母親たちのあいだに深く根づいているこの三歳児神話の根拠になっている研究で特に有名なのは、イギリスの児童精神医学者ボウルビィの理論だ。
これまでの研究で、家庭環境の中で起きる母性剥奪(母性的養育喪失)に着目していたボウルビィは、第二次世界大戦の戦災孤児たちにおいては施設への収容などの結果、この母性剥奪が起きていて、これこそが発達障害の大きな原因である、と主張したのである。
さらにボウルビィは、子どもの愛着行動を動物行動学の視点から「進化論的に選択された生得的な行動」と説明した。
このボウルビィの理論は、「幼児期に母性剥奪が起こると取り返しのつかない発達の遅れが生じる」「赤ん坊が本能的に愛着行動を起こす時期に母親がそばにいないと能力が形成されない」というメッセージとなって、またたく間に世界中の子育てに大きな影響を与えることになる。
しかし、その後の研究によって、ボウルビィ理論には、色々な問題点があることがわかり、批判殺到。
(有名どころでは、児童精神医学者・ラター(72年)。精神病理学者ワーナー(89年))。
批判論者たちは、動物行動学の理論を、そのまま人間育児に適用することじたいが問題だ、また、人間の場合のサンプルも、かたよりがありすぎる、などと反論。
ボウルビィの「母性剥奪」「愛着行動理論」は、決して正しいものではない、という他の研究者たちからの結果報告書も、続々と登場。
ラター(72年)は、たとえ乳幼児期に極めて劣悪な家庭環境で育った子どもでも、学校に入ってから教師や同級生と良いかかわりを持てば、その後の発達には問題は生じない可能性を、より多くのケースを長期的に観察することによって明らかにした。
また、ワーナー(89年)も、十代の非行・精神的問題児でも、その後のサポートがあれば、二十代か三十代前半で多くの場合、立ち直る傾向を見せていたことがわかったと、結果報告。
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今日のベストセラー本、「LEAN リーイン・イン IN 女性・仕事・リーダーへの意欲」(フェイスブックCOO シェリル・サンドバーグ 著. 日本経済出版社)には、ボウルビィ理論を覆す新たな結果報告書が登場する。
2008年、国立小児保健発育研究所(NICHD)早期育児調査ネットワークの調査報告書。
全米主要大学の児童発育専門家30人以上が、1991年から2006年の15年間、1000人以上の子どもを追跡調査を行って、子どもたちの認知能力・言語能力・社会行動を定期的に評価。とくに、母親のみによる育児とそれ以外の育児のちがいについて調べた。
結論:
母親が全面的に育児をした子どもとそれ以外の人が育児に携わった子どものあいだでは、何らちがいは認められなかった。(母親と子どもの絆の深さにも差は無いのである)。
両親の行動や安定した夫婦生活の方が、育児形態の二倍あるいは三倍も子どもの発達に影響を及ぼす。
母親のみによる育児は、子どもの発達の度合いを向上させるとも低下させるとも言えない。
両親ともに外で働いているほうが、子ども特に女の子の発育に好ましい影響があるというデーターすら、存在する。
サンドバーグの友人の発言:
「セラピストは、子どもたちと何時間も離れていると心配することは、子どもたちにとってより私にとってよくないと言うの。私たちはまるで子どもの問題のように話すけど、実際には母親の問題なんですって」
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あわほの幼少時における母親とのかかわりの最大の問題点は、「母親があわほと長時間離れていることを神経症的に気にしていること」であった。
あわほは、自分に近づいては極端に神経を酷く乱す母親が許せなかったし、今現在でもそう。
たがその一方で、愛社精神全開で、会社や仕事の話を心から楽しそうに話す母親のことは、頼もしく尊敬できるグレートな人だと幼少ながら感じていたし、今でも思う。
なのに、うちの母親ときたら、「母親たるもの子を愛さなければならない」という世間の常識や脅迫観念に駆られて、「他の専業主婦のお母さんたちとはちがって、自分は仕事があるから育児や家事に専念出来ない」って、キイキイ喚き散らすのだから、家族はもうたまったものじゃない。
あわほとしては、「もう、頼むから、チョー苦手で全く向いていない、子育ても家事も全部棄てて、全神経を会社と仕事のために注いでくれ~!」って、心の中で悲鳴をあげていたのであった。
とくに、あわほが哀しいと感じたのは、母親が強迫観念や世間の常識に拘泥するあまり、”自分自身が誇りとしている仕事人生を、完全否定するような発言をたびたび口にすること”。
「本当は自分の手で子どもを育てたかったけど、仕事しないと家計が成り立たなかったから、仕方なくワタシは外で働いているねんっ!」
この発言を聞くたび、こっちは毎度のことながら、どんだけ胸くそ悪くなったことだか...。
自分の大好きなもの(仕事)を否定し、好きでないもの(こども・家事)に、無理にでもしがみつこうとする母親を、子どもながら人として心底醜いと思った。
まるで、不老不死の妙薬を妄想にでもとりつかれたように探し求める、酷く醜い化け物を見ているかのように感じましたわい。
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前出の本によると、香山リカは、仕事人生を捨てて、家事や子どもの育児につきっきりの自身の母親を、物心ついたときから、うれしいどころか、とてもうっとうしく感じていたらしい。(ひとりで黙って、特撮ドラマやプロレスを見ていたかったと、香山)。
「育児ノイローゼになりそうだった」と後に母親がぼやくのを聞いても、「やはり、母親つききっきりの子育ては、子どもも母親もあまり幸せにしなかった」と、香山。
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つい先ほど、ネットニュースをたまたま開くと、ベビーシッターの男が乳幼児を放置して過失致死させた事件で、被害者の母親を鈴木宗男が厳しく非難している(それに応戦しているのは、乙武)、というのがあった。
宗男よ、いいーかげん、そのハゲにボケもかかっているそのアタマを、ぽちっと冷やせ!(怒)。
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